CGI 裕さ
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+++  裕さ +++



頭を柔らかくする

 食は文化にある。文化は食にある。
勝手な言い草だけど、どちらも納得してしまう。

 キッチンを通して様々なことが見えてくる。
それは日本にいても外国へ行っても、何処にいても感じることだ。

 キッチンとは関係ないけれど、最近自宅のトイレのドアノブを自分で直した。
はじめに取り付けてあったバーツとは違ったタイプのものを買ってきてしまったので
簡単には付け替えられない。
凹凸をしっかりかみ合わせてはじめてドアノブとカギは機能する。
凹に合わせて付け足すか、凸に合わせて削るか・・・
それは、頭を柔らかくして考えるとどちらも考えることができる。

今までの私は、今まで取り付けてあったパーツに程近いものしか想像できず、
削ることしか考えられなかったであろう。
が、ちょっと角度を変えると『付け足す』方法も選択肢にあることに気付く。

出来上がったものは、パートナーに言わせれば『アフリカンスタイル』。
限られた道具を最大限に生かした方法とでも言うのだろうか・・・


2年ほど前にジャマイカへ行った時、ちょうどクリスマスシーズンだった。
現地には十数年来のドイツの友人が移り住んでいた。
クリスマスにはゲストハウスのオーナーの意向で子供たちのためのパーティーを開くという。
そのオーナーにもお世話になっていたので、私もキッチンでお手伝いに参加した。

キッチンは中庭に面した木陰の中にある。
ゲストが食堂として使っているオープンエアのそのスペースが目の前に見える。
そしてその上では椰子の葉が木陰を作っている。
そんな南の島の雰囲気一杯のキッチンスペースで数十人分のお料理が今作られようとしているのだった。

ジャマイカではパーティーの時のお料理を担当するのは男性と決まっているらしい。
女性の料理は、その家族しか口にしないのだという。
女性は不浄であるということになるのだろう。
しかしこの日は、私は特別にお許しを得て参加することができた。
メニューとしては、ジャマイカ料理には欠かせないジャークチキン、ジャークフィッシュ、
タロイモのような芋を茹でたもの、ビーンズライス、サラダ、魚の揚げ物などなど・・・

手馴れているジャマイカ男性たちは老いも若きも一人の指導者を中心にどんどん進める。
それはそれは手馴れている。
その中で、かかっている鍋の火の見張り番をしていた私は鍋の蓋を探していた。
一応プロパンガスを引いてはいるけれど、非常に火が弱く早く火を通すには蓋が必要と感じたからだ。
しかし、調理器具も寄せ集めのような感じで蓋と鍋本体が一つのセットにはなっていない。
蓋なんて無いものの方が断然多い。

そんな中で、両手鍋の柄の部分がもう少し広ければ合う蓋を発見した。
合わせてみたけれど、やはりちょっとだけ蓋のほうが大きくて合わない。
そんな私の行動をテキパキ指示をしていた男性が一部始終見ていた。
『どうしたの?』と笑って尋ねる。
鍋の本体と蓋の不具合のことを彼に伝えると、
なーんだそんなことか と言わんばかりに、いきなり鍋の柄の部分をつかみ、"力"で広げた・・・
それから鍋の蓋をする。キッチリはまる!
彼には何でもないことかもしれないが、私には衝撃的なことだった。
鍋に蓋を合わせるのではなく、『蓋に鍋を合わせる』のだ!!


何でも手に入る環境で生活していると、どうも頭は固くなっているようだ。
思い起こせば、幼少時代におままごとをしていた時にはあらゆる物を代用し工夫して使っていた。
ジャマイカはその延長線上にある。
いや、本来の人間のあるべき生活の姿なのに、裕福になってその工夫の仕方を忘れているだけなのだ。
そうなると、裕さとはいったい何なのか考えてしまう。
今の私を貧弱な感性にしてしまったのは、所謂お金で解決できる『裕さ』なのだろう。
でも、本来の裕さはお金では買えないものなのだと思う。

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